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コラム「デザイナーの主張」

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SG開発に疲れてしまう理由

SG業界は人の入れ替わりが激しく、3年いればベテランと呼ばれてしまうくらい流動的な組織です。
人がすぐ辞めてしまうため技術が育たず、長く在籍している人に一極集中してしまう傾向があり、結局その人も辞めてしまうと開発ノウハウが失われるという最悪の事態に陥ります。
人材が次々と流出してしまうのには、SG開発が抱える特有の理由が深く関係していると個人的には思うのです。

開発スピードが速すぎる

ソーシャルゲーム開発の現場は非常に開発テンポが速く、扱う技術もサービスの内容も目まぐるしく変化していきます。
コンソールと違い、サービスのプラットフォームがスマホやブラウザなので、日々アップデートされるOSについていくためにSG業界も常に変化を求められます。そういう意味ではSG業界はゲームというよりIT企業の側面が強いのです。

コンソールゲームの開発では1作品作るのに何年も費やしますが、SGの新規開発タイトルの場合は早いもので半年~1年、ライトやカジュアルともなると1か月に1~2作品と、コンソール開発経験者からすると信じられないくらいのスピードで次々と新作が発表されます。
新しいことができるという意味で新規開発はクリエイターにとってはいい刺激になるのですが、
リリース優先でカツカツのスケジュール。常に締め切りに追われ、時間のない中での仕様変更に機能追加に作り直しと、ノンストップの長距離走を全力疾走で走り続けるような新規開発は肉体的にも精神的にも非常にヘビーです。 schedule

終わりがない

同じサービスを無限にアップデートしていくのがソーシャルゲームです。
せっかく出来上がったサービスに新たな機能を追加したり削除したりと作っては壊してを無限に繰り返すので、開発に終わりがありません。
まるでウィンチェスターハウスです。

ウィンチェスターハウス
https://winchestermysteryhouse.com/

数年も運用するともはや原形を留めないくらい改造されまくるので、新しい機能の追加は既存機能との整合性や辻褄を合わせるのに非常に苦労します。
そのうえ「やっぱりこの機能いらねえや」であっさり削られたりもするので、削った機能との辻褄を合わせるのにもまた苦労するわけです。
クリエイターからすると「先にもっとよく考えておけ」と怒りが募ります。

開発スピードの速さもあり、永久にゴールの見えないフルマラソンを強いられるSG開発は長引けば長引くほど苦痛です。 フルマラソン

改造を繰り返していればいろんなところに不都合や不具合が出てくるのも当然なのですが、技術屋ではない企画陣はそういう懸念には無関心なので「いいから作れ」で押し切ってきます。
ただせっかく作っても想定した売り上げが取れなくて頭を悩ませているのを見ると「アホなの?」って思いますが、挽回するためにまた新しい施策を打とうとするので、彼らの学習能力の低さには毎回呆れます。 omitt

変化がない

毎年あまりに多くのゲームがリリースされ過ぎているために現在の日本のSG業界はすでに飽和状態に陥っています。

1作当たれば大きいのですが、どこの会社も似たり寄ったりのガチャゲーばかりなので、盛大に大コケする場合が殆どで、新規タイトルに注力するよりも継続的に売り上げを維持できる既存タイトルを長く存続させるために開発力を総動員するという状態で、新規タイトルの開発に注力する場面も減ってきました。

既存タイトルの継続は同じサービスを無限にアップデートしていくわけで、デザイナーからすると同じデザインをただひたすら作り直すだけで、新しいことは何もできません。
また企画的にも、1年くらいやっているとだんだんとネタも尽きてくるので過去の施策の焼き直しが増えてきます。

売り上げの維持は会社にとって大切なことですが、
毎日同じことの繰り返し、作っては壊してを繰り返す変化のない日常は人によっては安定的で平穏かもしれませんが、
常に世の流行を追い続けなければいけないデザイナーにとっては致命的で、刺激に飢えているクリエイターにとっては結構な苦痛です。

エンドロールがない

ソーシャルゲームにはゲームクリアがありません。
ゲームクリアがないから開発に終わりもないのですが、これにはもっと致命的な問題があります。

それは、
エンドロールが無いんです!


映画やドラマ、コンソールゲーム、最近は漫画でもスタッフクレジットがあります。
これはクリエイターにとっての醍醐味です。
自分の携わった仕事がちゃんと世に出たという証拠です。でもSGにはスタッフクレジットが無いので、自分の携わった仕事の証明ができないんです。
そのうえIP系のゲームも多いので社外秘が多く、自分が「これの開発に携わりました」と言うこと自体がNGにされたりします。

自分の仕事が正当に評価されているのか否か全く見えないので、やりがいが感じられないわけです。

どことは言いませんが、Unity開発初心者だった会社の初期システムを当時担当していたエンジニアさんと協力して僕が作ったんですが、その事実を知っている人はもう殆ど会社に残っていません。。。
僕も自ら宣伝するタイプではないので、会社内でも知っている人は少なかったように思いますが、そのシステムは今でもその会社のキーテクノロジーとして使われています。
ボーナスがあったわけでも、評価が上がったわけでもありませんが、自分が開発したという事実すら揉み消されてしまうと、なんだか空しいですよね。。。
今でもその会社で働いている友人に聞いたんですが、どうやら僕の後任の人が作ったって話になっているらしいです・・・
努力はアピールしないとダメなんだなって痛感しました。

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